サポートブック制作者たちの思い

みんなで広島発の絵本をそだてましょう。

沖田 肇

当初は、親が“がん”で、幼い子供を残して旅立つこととなる場合、このサポートブックを用いて親子のこころの交流をはかり、後々にもこのサポートブックが子供の心の支えになることを願って作られました。
しかし、今は、どのような病気であろうと、対象が大人であろうと、親子の心を繋ぐツールとして使って頂けるのではないかと考えています。

青芝 映美

今回、がん患者さんに限らず、親と子のきずなを深めるツールとして広がりを見せ始めたこのサポートブックを、当院の重症心身障害児病棟の家族の皆さんへ紹介させていただきました。
親と子が直接ことばで伝え合えなくても、親が子を思う気持ち、親の思いを書き残すという大切な役割をこのサポートブックに期待しながら・・・。

石本 早苗

サポートブックに書き込むことで、自己吟味ができて、それが自身の応援の言葉になればと願っています。

稲田 恵子

以前,癌で母親を亡くした小学生の子どもが不登校になり,受診されたことがあります。
お母さんが一緒に頑張ろうといったのに,僕が頑張らなかったから、と自分を責め,泣いていました。
もし,闘病中だった数年間のどこかで,お互いの気持ちを書き記せるサポートブックがあったなら,と思います。自分を責めるより,むしろ一緒に頑張った自分を誇らしく思えたかもしれません。
子どもは何かよくないことが起こると,自分のせいではないかと,と小さな胸を痛めます。
サポートブックで親子の思いを文字にすることで,少しでもお互いの心を知り,子どもたちの生きる力になったらいいなと思っています。

大澤 多美子

親子のコミュニケーションをより深めるためのこのサポートブック。
そもそもは病気を抱えた親子のために作成されたものですが,使い方は人それぞれ,親子それぞれ。どんな使い方もあり,です。
一人でも多くの方がこのサポートブックを手にとってみてくださるよう,切に願っています。

佐伯 俊成

親が病気になることは子供の成長に大きな影響を与えます。子供は保護者を失って辛い思いをし、親も役割が果たせないことで苦しみます。
このサポートブックが親と子供の絆をつなぐことに役立ち、闘病という辛い体験が意味あるものになればよいなと思っています。

玉井 妙子

10年間、重症心身障害児(者)の看護に携わり、障害児を通して親子の絆の大切さを学びました。 自身も、子供が3歳・5歳の時期に、がんになった経験を通して、「あの時に、サポートブックがあれば・・・」という想いがあります。 かけがえのない子供のために、サポートブックを多くの方に使っていただきたいと思い ます。

樋口 洋子

がんという「深くて暗い川」が、親と子どもの心を隔てています。そこに「虹の橋」を架けることができたら…。そんな思いで医師や看護師、市民が手探りで取り組んだのが、親子の手作り絵本「サポートブック」でした。
PRのお手伝い程度ならと、メンバーの端くれに加わりました。
絵本には「がん」という文字もなければ、癒やしの言葉も出てきません。いろんな動物の親子の触れ合いを描いた絵に、楽しかったことや気持ちを書き込んでいく。
ただそれだけなのに、干からびた心が潤い、ぽっと温かくなっていくのです。
サポートブックの広がりを通して、病気や死といった問題だけでなくこの社会はさまざまな「暗くて深い川」を抱えていることにも気付かされました。
もちろんサポートブックは万能薬ではありません。
でも、誰もが自分の物語を紡ぐことはできます。「希望の絵本」。書いてみた私の思いです。

山内 雅弥

広島発の「サポートブック」はこれまでに一般市民のかたから寄せられた広がりから、私たちチームメンバーも気付かなかったこの本の持つ「大きな潜在力」が示された証であると思えます。
医療を全面に出さない「ふつうの視点」で、親子家族をつなぐ絵本として、広く全国の人に手にとってもらえるように頑張りたいと思っております。

田中 丈夫

英国では、病児や病を抱える親子、大切な人を亡くした子どもに対する様々な支援策がありました。地域で、医療現場で子どもの理解を助けるための絵本や冊子、動物のぬいぐるみとの対話を通して、悲しみや寂しさに向き合う親子の支援に関わりました。
帰国後は、翻訳を通して医療現場に子ども支援の重要性を伝える活動をしてきました。多様化する時代だからこそ、大人の役割として、大切な時間を何の道標も見出せないまま、親子の時間が過ぎてしまわないよう、未来の子どもたちに託す「サポートブック」が誕生しました。
この本は親子や家族の記録です。大切なことを伝え合うためのツールです。サポートブックを通じて、たとえ親が直接言えなくても子どもは親の存在を胸に刻みつけます。家族ケアの一手段としてこの本を使いこなせる医療者が増えれば、とてもうれしいことです。
そして、学校や地域にも広がってほしい。サポートを必要とする子どものもとに、この本が届くように願っています。

阿部 まゆみ

専門家ではなく、娘を持つひとりの不出来な父親として名を連ねました。
幼い子供を残して学友が病に倒れ、自分も不規則な生活が続き、検診では赤・黄信号がともる中、
もし今、自分が病を得たら、余裕を失い娘たちとのコミュニケートもままならない気がし、
そんなときに気持ちを伝えるツールがあればと思いました。
サポートブックがそんな家族のコミュニケートのきっかけづくりに役立てると良いなと思います。

今井 信博

私の父は、私が生後6ヶ月の時に亡くなっています。父の顔も抱かれた記憶もない私にとって、父が実妹に書いた1通の手紙が、唯一父の思いを意識できるものでした。個人的な体験ですが、この手紙で私は、「確かに愛されていた。」というメッセージを受け取ることが出来ました。
このサポートブックのアンケートでも、この本で、「生まれてくれてありがとう。」という気持ちを伝えたいというご意見が多くありました。この本を、親子で完成させる過程で、多くの思いが通い合えば嬉しいですね。この時間も宝物になるにちがいありません。

岡本 尚子

サポートブックが、普段は横に置いてしまっている色々な思いに気づくサポートになればと思います。この本を介して、大切な人と時間や気持ちを共有するヒトトキを持っていただければと願っています。
文字や言葉にしようとする作業の中で、自分の中の言葉にならない思いや感覚に気付いていくことにも繋がっていく…そんなきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

田中 しほ

このサポートブックを通して、一人でも多くの子どもたちが、おとうさんやおかあさんや大切な人たちと、うれしい気持ち、切ない気持ち、大好きな気持ち・・・たくさんの心を一緒に味わうことを、祈っています。

西巻 美幸

いろいろな職種の皆さんのいろいろな思いが沢山盛り込まれたサポートブックが出来ました。
がんになったからと改めて親子で向き合う事は一般の方ではしたくとも なかなかできない状況があると思いますが、このサポートブックを通して お互いの思いが確認出来るのではと思います。
残された者にとって唯一の宝物になるのではないでしょうか。

広瀬 とし子

「がんの親を持つ子供のサポートブック」の作成は、学校現場で親を亡くした子どもたちとの出会いでした。子どもたちと親との別れの訳はいろいろありますが、自分と親との出会いをしなければならない思春期に入ってからは、亡くなった親の欠片を探しているような気がしていました。ある生徒は「父親の日記」を見つけ、父親の想いをしっかりと読み取りやっと動き出すことができました。
「親」から「子ども」へなんでもいいのです。何かメッセージを。それがあれば子どもは旅立てます。そのようなサポートブックが必要ではないかと思っておりました。

藤本 比登美